にゃんさんブログ

猫気質のわたくしが自由気ままに書くブログ

【感想】17歳のカルテ|嘘にまみれた社会で生きる自由とは

f:id:nyansan2:20190225181819j:plain

引用:17歳のカルテ ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント

こんにちは。ニャンさん@nyankodearuです。

 

今回紹介する映画は『17歳のカルテ』。
日本では2000年に公開された作品で、今では大女優となったアンジェリーナ・ジョリーの出世作として知られていますね。

 

この作品は精神疾患を題材にしており、主人公のスザンナは『境界性人格障害』と診断されています。(ちなみに人格障害にも種類は様々…)

 

社会では安定した生活を送れず精神科病院の中で生きる少女たちを通じ、「社会で生きるとはどういうことか」というテーマで物語は進行していくのですが、リズミカルに話が展開するため最後まで飽きずに観られると思います。

 

私が初めてこの映画を観賞したのは、ちょうど高校生の時でしたね。登場人物たちの設定年齢と同じくらいなので、タイミングも良かったのかもしれませんが、なかなか作品を気に入ってしまったのです。

 

それからもちょくちょく繰り返し鑑賞しており、ふと思い立って紹介することにしました。

 

簡単なあらすじを紹介した後、私の感想を述べていきます。

 

17歳のカルテ~あらすじ(ネタバレあり)~

主人公のスザンナ(ウィノナ・ライダー)は自殺未遂の末、救急搬送された。その後は両親により精神科を受診させられ、そこでは『境界性人格障害』と診断が下る。治療のため、スザンナは入院することになった。

 

入院中に出会った患者たちも同じく何らかの精神疾患と診断されており、中でも入院患者のリーダーであるリサ(アンジェリーナ・ジョリー)は自由奔放なふるまいをする人物。スザンナはリサを恐れながらも、次第に彼女の生き方に惹かれていく。

 

親しくなったスザンナとリサ。そして病院内でのある事件をきっかけに、二人は一緒に脱走を試みる。

 

脱走して行き場所の無い二人は、以前退院したデイジーの元を訪れる。しかしデイジーの挙動は不穏で、何かしらの悩みを抱えている様子。そしてその秘密をリサが暴き、ショックを受けたデイジーは自ら命を絶ってしまう。

 

デイジーの死にスザンナはひどく取り乱し、また自殺に追い込んだリサを非難する。リサに惹かれていた自分を後悔し、病院に戻った後は社会復帰のための治療に専念。

 

スザンナの治療は順調にすすみ、無事に退院日も決定する。しかしそんな中、リサが病院に連れ戻されてきた。

 

リサはスザンナのある秘密を知っており、それを皆の前で暴露する。二人は感情を爆発させ、ここで激しい口論が展開される。

 

最後はリサが自身の決定的な弱みを突かれ、その場で崩れ落ち慟哭してしまう。自ら命を絶とうとするリサだが、仲間の呼びかけにより思いとどまる。

 

最後はベッドの上で拘束されたリサを見舞うスザンナ。お互い退院して再び会うことを約束し、スザンナは病院を後にした。

 

17歳のカルテ~感想~

f:id:nyansan2:20190225160819j:plain

私はこの作品が好きで、年に一度は鑑賞していますね。

 

作品全体の完成度は決して高いとは思いませんが、役者たちの赤裸々な演技が光り、熱のこもった作品に仕上がっています。

 

前半は少女たちの青春ストーリー的な雰囲気で話は進みますが、ある事件をきっかけにシリアスな展開に。その後スザンナは治療に専念するようになります。

 

そして物語の終盤にスザンナとリサが対峙するのですが、そこでは「本当の自由とは何か」というテーマについて激しく口論し、作品内で最も印象に残るシーンとなっています。

 

「本当の自由とは何か」。世の中の多くの作品のように思わせぶりで終わらず、この映画では一つの答えを提示しているので、ここで少し取り上げたいと思います。

 

本当の自由とは何か

本当の自由とは何か。このことに関し、物語終盤でスザンナとリサは激しく口論することになります。

 

心身共に回復したと診断され、退院日が決まったスザンナ。一方で、彼女は誰にも見せない秘密の日記をつけていました。

 

日記の内容は、同じく入院している仲間たちを観察した記録。日記には口では言えない「本音」が綴られており、中には仲間たちを侮蔑するような言葉も含まれています。しかし一方で、日常では本音を隠し友好的な態度で仲間と接していたのです。

 

その日記をリサの手により皆に暴露されるスザンナ。リサはスザンナを「嘘にまみれた偽善者」だと責め立て、スザンナはあらゆるものに拘束される息苦しい社会で窒息する運命だと馬鹿にします。

 

リサは本音だけで生きており、嘘をつくことができません。そして好きなように振舞うことができる自分の生き方こそが自由だと強く主張するのです。

 

一方、スザンナもリサに対し真っ向から反論します。本音を隠し、嘘にまみれた社会でも生きていける自分こそが自由だと。

 

嘘をつくことができない、本音でしか生きられないリサは周囲の人を傷つける。だから外の世界には適応できず、精神科病院の中にしか居場所がない。この狭い世界でしか生きられないリサは自由ではなく、すでに死んでいるも同然だと言い放ったのです。

 

このスザンナの言葉は非常に的を得ていると思います。社会で生きている以上、常に本音で発言していては、周囲の人と良好な関係は築けません。

 

たしかに社会では、皆が汚い本音を隠し、その様相は嘘にまみれていると言ってもよいでしょう。偽善者だらけと言えば、そうなのかもしれません。

 

リサはそういう嘘にまみれた人たちを許せず、強く憎んでいました。そして、社会の中に自分の居場所がないことに気付き、誰よりも苦しんでいたのです。そしてそのことをスザンナに見抜かれ、動揺したのです。

 

実は、このリサの感情は私にも少し覚えがあるのですよ。とくに高校生くらいの頃はこうしたことに強い憤りを感じていましたね。教師の腹の中の黒さや、自分を利用しようと近づいてくる人などが手に取るように分かり、接しているだけで吐き気がする思いをしたものです。

 

しかしスザンナが言うように、これを受け入れない限りは社会では生きていけず、リサのように特定の環境にしか居場所はありません。皮肉な話、だれよりも自由にふるまっていたリサが、だれよりも真の自由からは遠い存在だったということです。

 

最後に、スザンナは嘘にまみれた世界で生きていく決意をしました。自分の汚い本音は日記に書きなぐり、表面上はキレイな人間をふるまいながら。

 

思うままの発言や行動をすることはできなくなりましたが、しかし外の世界で生きていくことができます。これがスザンナが見つけた「自由」の答えだったのです。

 

まとめ

f:id:nyansan2:20190225160850j:plain

以上です。

 

リサ・ロウの役を務めたアンジェリーナ・ジョリーの好演が光り、エンターテイメントとしても楽しめる作品に仕上がっています。

 

とくに若い世代の方におすすめしたい映画ですね。社会の閉塞感に生きづらさを抱えていたり、理不尽な世の中に憤りを感じている人など…。

 

この映画から、少しだけ前に進む勇気をもらえるかもしれません。
興味を持たれた方は、ぜひご鑑賞してみてください。

 

それでは今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。

 

~原作~

 

~DVD~