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医学部不正入試の問題点を整理【複雑な大人の事情】

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こんにちは。ニャンさん@nyankodearuです。

 

世間で騒ぎになっている医学部の不正入試問題。女性や浪人年数が多い受験生が不当な処遇を受け、一方で同窓生の子供などは優遇されていたという事実が発覚しました。 具体的には、以下の通りです。

 

▽学力検査での得点が同等でも、女性や浪人回数が多い多浪生は面接試験でより高い評価を得ないと合格とならない
▽調査書や出願時の書類を審査する際、現役生にだけ加点し、多浪生と差をつけている
▽合格圏外の同窓生の子どもらを合格させている
▽補欠合格者への繰り上げ合格の連絡を、総合得点の順番ではなく、より下位の特定の受験者へ連絡している
引用:https://www.asahi.com/articles/ASLBR3F2SLBRUTIL007.html

 

これらは昔から見て見ぬふりをされてきた、いわゆる暗黙の了解【不文律】と呼ばれる類のものです。

 

最近ではこのような「昔から繰り返されてきた理不尽な不文律」が容赦なく制裁される社会になりつつあり、他の具体例を挙げると、学校での教師による体罰問題、生徒の深刻ないじめ、舛添元都知事の公私混同騒動など。これらも本質的には同じ問題ですね。

 

こうした騒動の特徴としては、「自分や周囲の人間が実害を受けている(もしくは受ける可能性が高い)」という点が挙げられ、世間からの大バッシングは避けられないものです。

 

しかし、感情的に意見を述べているだけでは問題の解決にはつながりません。
なので今回は医学部不正入試に関する問題点を整理してみることにしましょう。

 

今回の問題は、基本的にはこの三点で構成されています。

  • 女性に対する不当な扱い
  • 多浪生に対する不当な扱い
  • 関係者に対する優遇

この順番で見ていきましょう。

医学部不正入試①女性差別

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女性が不当な扱いをされる理由として挙げられるのが、妊娠や出産に伴う休暇の取得や、育児のための時短勤務などに伴う労働問題ですね。

 

これらの状況で、人員を補充できない場合は、残された他の医師達の負担は激増してしまうのです。

 

でもこうした状況って他の一般企業でも同様で、仕事をしているとたびたび発生しますよね。私の職場でも、事務員の女性が保育園児を育てており、子どもが頻回に発熱して早退する…を繰り返している状況です。

 

もちろんその分、周囲の人間の仕事量は増えていますね。やはり同じ部署の職員からは不満の声も挙がっていますし、彼らも仕事量が増える一方で、特別な手当金が支給されるわけではないので、客観的に見ると不公平な気持ちが分からなくもないのです。

 

さて、ここで疑問を持たれる方もいるでしょう。なぜ医学部に限って、それも入社試験ではなく入学試験でこのような不当差別が行われているのか。

 

その理由ですが、医学部には少し特殊な事情がありまして、それは卒業した医大の附属病院に入職するケースが多いことです。大学入学から病院就職までエスカレーターのようなイメージをもたれると分かりやすいですね(※もちろん全員ではありませんよ!)

 

つまり医学部の受験とは、「新入社員の選別を多少なりとも兼ねている」と言い換えてもよいでしょう。要するに、医学部受験で多数の女性を合格させると、近い将来に付属の病院で労働問題が発生する可能性が高まるということです。

医学部不正入試②多浪生差別

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女性と同様、多浪生も不当な扱いをされていました。理由としては単純で、入学試験に複数回不合格している学生は【潜在的な能力が低い】とみなされていたのです。

 

これに関しては、厳しい意見になりますが、私個人としては一理あります。医学を本質的に理解するためには高度な論考能力が不可欠で、それを備えていない人物は適性検査で不合格にするという、この考え自体は間違ってはいません。

 

しかし一方で、致命的なツッコミ所もあるのですよ。 まず医学部の入学試験が「医師の資質を問う適性検査」として適正かという疑問です。医学部の入試は、一般的には以下のように行われますよね。

  • センター試験や大学別の試験(英語・数学・理科が主)
  • 小論文+面接

いちおう小論文や面接で、医師としての「人間的」な部分での資質を評価されるという名目ですが、当然これだけで判断することは不可能です。

 

世間一般でよく言われる、「勉強はできるのに仕事はできない」という現象がありますよね。医師の仕事も当然、専門領域の知識だけで実現するものではなく、対人コミュニケーションや作業の効率性、些細な病変に気付く注意機能、確証バイアスに支配されない論考能力、ストレス耐性……など、要求される能力は多岐にわたります。

 

残念ながら現在の義務教育・高等教育にはこれらを向上するためのカリキュラムが存在せず、つまり一般的な入学試験では評価できない能力なのです。 よって、もし多浪生を「潜在的な能力が低い」と評価して不当な扱いをしたいのであれば、それ以前に入試科目の内容を見直すべきでしょう。

医学部不正入試③関係者の優遇

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卒業生の関係者などを優遇しているという事実です。しかし、この件に関しては医学部入試に限った話ではないでしょう。

 

面接などに重きを置かれている試験はいずれも同様で、採点基準があいまいな場合はいくらでも都合よく操作できるものです。

 

また、高額の寄付金を支出してくれるものを優遇しているという件。倫理的には受け入れがたい行為ですが、しかし私立大学の運営とは紛れもなく「ビジネス」であり、得た寄付金などで大学の設備を充実させ、より宣伝効果や教育を向上させるという目論みは、一概には否定できません。

 

もちろん私立大学とはいえ、私学助成金を受け取っている以上は営利だけが目的ではないという意見もあります。しかし、これはなんとも難しい問題ですね…。

まとめ

以上になります。

 

問題が表面化した影響で、今後はこのような不正入試は激減するでしょう。しかし面接などの試験がある場合、何かしらの手段で差別は行われる可能性は残ります。

 

明確かつ客観的な評価基準がない場合、様々な言い逃れも可能なわけですよ。

 

性別・浪人年数などを理由に「不当な処遇」を与えることは許されるべきではなく、入試制度の見直しが必要で、さらには根本的な問題である社会制度の改善が不可欠でしょう。

 

国家試験同様、不正が不可能な試験を実施すれば、裏口入学なども防止できます。しかしこれに関しては様々な問題が複合しており、簡単に言えることではありませんけどね。

 

いずれにせよ、より公正な社会が実現し、理不尽な処遇を受ける方が減ることを願います。

 

それでは今回はここまで。 最後までお読みいただきありがとうございました。