にゃんさんブログ

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「他人の不幸は蜜の味」はなぜ起こるのか。この心理が存在する理由について

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こんにちは。ニャンさん@nyankodearuです。

 

「他人の不幸は蜜の味」というやましい心、誰もが一度は体験したことがありますよね。

 

嫌いな人や傲慢な人が大失敗する姿を見ると、ついクスリという嫌な笑みがこぼれてしまう、アレです。

 

芸能人がスキャンダルを起こすと、皆ここぞとばかりにバッシングしますよね。ネットにアンチコメントをしている人は満面の笑みだと思いますよ。

 

  • ざまあ見ろ
  • いい気味だ
  • 一生表舞台に出てくるな

 

…こんな感じです(笑)

 

ところで、この「他人の不幸は蜜の味」という心理、一体何のために存在するのでしょうか?
他人がどうなろうと、一見関係がないように思いますよね。

 

今回は「他人の不幸は蜜の味」という心理が存在する理由について、実験データを参照しながら考えていきましょう。

 

「他人の不幸は蜜の味」はなぜ起こるのか

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「他人の不幸は蜜の味」はなぜ起こるのか。
結論から述べると、これは一種の心理的な報酬なのです。

 

自分が「敵」と認識している相手に不幸なことが起きると、結果として自分の安全や地位が確保されるから。

 

もう少し具体的に説明するため、「他人の不幸は蜜の味」という心理がどのような相手に対して抱くものなのかを明らかにしましょう。

 

皆さんもこの心理を一度は体験していると思いますが、その時はどのような相手に対して発生しましたか?
「嫌いな相手」なのは間違いないでしょうが、一言で嫌いと言っても様々ですよね。

 
これに関し、面白い実験データがあります。

 

心理学者でありハーバード大学助教授のチカラ(Mina Cikara)氏は、「他人の不幸は蜜の味」の対象となり得る相手の性質を調べるため、人柄と能力という二つの評価の高低を組み合わせ、4つのタイプ(Disgust,Envy,Pity,Pride)の人種に分類しました。

 

  人柄 能力 一言まとめ
嫌悪(Disgust) 悪い 低い 無能で態度も悪い
羨望(Envy) 悪い 高い 優秀だけどムカつく
憐憫(Pity) 良い 低い いい奴なんだけど、仕事できないんだ…
最善(Pride) 良い 高い 優秀で人格も素晴らしいパーフェクト

 

そしてこれらの人たちに

  • 良い出来事
  • 普通の出来事
  • 悪い出来事

が起きているシーンの写真を作成し、それを参加者に見せたのです。
例えば「高慢なサラリーマンが泥水を浴びせられている写真」などですね。

 

このとき参加者には「写真の人物に対してどう思ったか(建前)」を質問し、さらに表情筋の活動を計測(本音)することで、建前と本音を調査したのです。

 

※表情筋の活動を調査することにより、その人が反射的にどのような感情を抱いたかを推測する

 

さて、さっそく実験結果を見てみましょうか。

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引用:Stereotypes and Schadenfreude:Affective and physiological markers of pleasure at outgroup misfortunes. 

 

このグラフは、悪い出来事が起こった相手に対し、どのくらい気の毒だと思ったかを答えてもらったデータです。

 

憐憫(Pity)>嫌悪(Disgust)>最善(Pride)>羨望(Envy)

 

この順番で気の毒に思ったようですね。
これはなかなか面白い結果です。パーフェクト人間「最善(Pride)」より、「嫌悪(Disgust)」の方が気の毒だと回答しているのです。

 

もちろんこの回答はあくまで建前に過ぎないので、これは「どのようにふるまうべきと考えているか」という社会規範を推測するための指標になります。

 

このことから、社会的には「弱者に不幸なことが起きた場合は同情しているようにふるまわなければいけない」という規範があるということが分かりますね。

 

さて、お次は表情筋の活動を見ていきましょう。これは本音を調査するためのものです。

 

本心から笑う時は表情筋に反射的な筋収縮が起きるため、意図的な制御は出来ません。ようするに、ごまかせないということ。

 

結果はこちらです。

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引用:Stereotypes and Schadenfreude:Affective and physiological markers of pleasure at outgroup misfortunes.

 

マイナスの数値は笑うような筋活動があるいうことになります。一つだけ露骨に下に飛び出しているグラフがありますよね。そう、優秀だけど嫌な奴である羨望群(Envy)です。

 

この結果で注目すべきなのは、同じく嫌な奴である嫌悪群(Disgust)に対して笑みは発生していないというところですね。眼中にない人の不幸はとくに面白くもないということです。

 

このことから、「他人の不幸は蜜の味」という心理は、単に嫌いな人に対して発生するわけではなく、自分にとって脅威の存在である「優秀で嫌な奴」に対して抱く感情だということが分かります。

 

人が生きる意味は二つある【ヒトとして、人間として】という記事でも述べましたが、人間の生物としての本質は生存競争と性競争に勝つことです。つまり、自分のライバルや危害を加える可能性のある相手はできるだけ少ない方が良いのです。

 

「他人の不幸は蜜の味」は危険な相手が落ちぶれた時に抱く、「自分の生活を脅かす人の力がなくなった」というホッとした感情なのでしょう。

 

さて、この実験データで重要な点がもう一つあります。すでにお気付きの方もいらっしゃると思いますが、二つのグラフを並べて説明しましょう。

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引用:Stereotypes and Schadenfreude:Affective and physiological markers of pleasure at outgroup misfortunes.

 

 注目するのは羨望群(envy)です。左側のグラフを見て分かるように、参加者は羨望(envy)に対しても「かわいそう」という感情があると訴えています。

 

一方、右のグラフからは羨望群(envy)に対しては笑うための筋肉が活動していることが分かります。

 

つまり、これは本音と建前が全く逆だということ。

 

これを見て「腹黒いな!」と怒るのではなく、人間とはそういった生物で、これも一種の処世術だと割り切って受け入れましょう。

 

※「他人の不幸は蜜の味」という感情は、神経科学の観点からは共感という心理の負の側面であると考えられています。ちなみに専門用語ではシャーデンフロイデと呼ばれているので、頭の片隅に入れておいてください。

 

まとめ

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以上です。

 

「他人の不幸は蜜の味」という心理は、優秀かつ嫌な奴に対して起こりうるもので、自分の生活に害をなす存在が落ちぶれたことによる「ホッ」とした感情なのです。

 

また、このように笑いたくて仕方がない状況でも、人々は表面上は「かわいそうだ」と言わんばかりの態度をとるということも分かりました。

 

自分は優秀だけど周囲に偉そうにしている人は気をつけましょうね。あなたがミスをすると周囲の人の表情筋は活動していますよ。

 

弱者の妬みなどすべて叩き潰してやる!
…という自信のある方は、ぜひ今後も高慢なキャラクターを貫いてくださいな。

 

また頻繁に「他人の不幸は蜜の味」を体感している皆様も、相手が落ちぶれるのを待つのではなく、自分が相手より上に行くことを目指した方がいいと思いますよ。

 

…ということで、みなさん色々と気をつけましょうね(笑)